
この日の公明新聞から、暮らしに関わる2つの話題を、生活の言葉でお届けします。
かつてハンセン病にかかった人たちは、法律によって社会から強制的に隔離され、長く差別にさらされてきました。隔離を定めた「らい予防法」の廃止から30年、元患者らが国の賠償責任を求めた訴訟の判決から25年を迎えた今年、公明党は党ハンセン病問題対策本部の谷合正明本部長(参院会長)を中心に、全国の国立療養所を訪ねています。2001年の判決の際には、当時の坂口力厚生労働相(公明党)が控訴断念を実現。その後も公明党は、元患者らの福祉の増進や名誉回復を進めるハンセン病問題基本法(2008年)、元患者の家族への補償金支給法(2019年)の成立などを推進してきました。
療養所で暮らす人の平均年齢は90歳近く。谷合氏は、ある入所者から「中学校を卒業できなかったことが一番悔しい」との話を聴き、ハンセン病問題を決して過去のことにしてはならないと胸に刻んだといいます。本名とは別の「園名」で暮らしている人、亡くなっても遺骨を故郷に戻せない人、らい予防法の廃止後も街中で差別を受けたという人――。谷合氏は、人権の歴史を伝えていくため、資料館や納骨堂などを当事者の意向に沿いながら残していく必要があるとし、「永続化に必要な国の予算もしっかり確保していきたい」と語りました。
谷合氏が語ったのは、共生社会への思いです。「当事者を『かわいそうな人』『支援される側』としてだけ捉えることも、本当の意味での差別解消にはつながらない。支援を受けた人が、今度は誰かに手を差し伸べる側にもなる」。支える側と支えられる側を固定するのではなく、互いに支え合い、一人一人の尊厳が守られる真の共生社会を後押ししていくとしています。
カレーも肉じゃがもポテトサラダも欠かせない、国産のジャガイモ。その産地を守れるかどうかが、今問われています。米国産の生鮮ジャガイモの輸入解禁に向けた手続きが進んでおり、病害虫が入り込めば国内の農業に大きな影響が出ると、懸念が広がっています。2020年の米国からの要請を受け、農林水産省は世界貿易機関(WTO)のルールに基づく3段階の手続きを始め、現在は病害虫21種類について防疫対策が必要だと特定した2段階目まで進んでいます。
公明党農林水産部会(部会長=高橋光男参院議員)が1日、小寺裕雄農水副大臣に厳格な対応を要請しました。高橋部会長は、現場を視察した際の農家の声を踏まえ、「病害虫が侵入すれば生産が長期にわたりストップし、生産者の防疫努力が水の泡になりかねない。担い手不足が加速する恐れがあり、今後の検証は、科学的根拠に基づき厳格に対処すべきだ」と強調しました。要望書では、科学的な検証が不十分なまま政治的・外交的な判断で拙速に解禁しないことや、国内の防疫体制の強化、検証結果を国民に分かりやすく段階的に公表することを求めました。また、ジャガイモの自給率が減る傾向にあることや生産者の重い労働負担を踏まえ、共同の選別・貯蔵施設の整備や人工知能(AI)技術の活用など、営農を続けるための具体的な支援も訴えました。小寺副大臣は「現場の声を重視し、不安を抱える農家をしっかり守っていく」と応じました。