
この日の公明新聞から、暮らしに関わる2つの話題を、生活の言葉でお届けします。
廃線のホームに、ブルートレインがたたずむ。上野と青森を結んだ寝台特急「あけぼの」。昭和から平成にかけて、進学や就職で故郷を離れる若者、遠距離恋愛や家族の急病で旅路を急ぐ人らの、数え切れない人生を運んだ夜行列車です。連載「太陽のひと」は、この列車にゆかりのある地方議員を紹介しています。
秋田県小坂町の公明党町議・本田佳子さん(60)も18歳の春、「スキーでオリンピックに出場する」と夢を抱いて、青森駅から就職のため「あけぼの」に乗りました。ひたすら練習に打ち込み、1992年2月、日本女子として初めてバイアスロンで冬季五輪に出場。女性競技者のパイオニアとして活躍した後、結婚を機に夫の実家がある小坂町へ移り、今度は町政史上初の女性町議となりました。2012年3月から4期15年にわたり奮闘する中で、廃止となった「あけぼの」の車両を宿泊施設に生かすことをいち早く発案し、宿泊営業への道を開きました。
「あけぼの」の宿泊施設は、町の観光の目玉に育ちました。ところがコロナ禍で休止し、車両は雨漏りも。町議会は修繕費を一度は否決しましたが、本田さんは諦めませんでした。線路脇で黙々と雑草を抜く高齢女性の姿に「復活を望む町民がいる」と感じ、町を歩いて200人の声を聴きました。「なくなさいで!」。その声を議会で代弁し、クラウドファンディングで全国から607万円が集まり、車両はよみがえりました。
本田さんの原動力は「困っている人を放っておけない」という思いです。起伏の多い地形で防災無線が届かない町のため、「防災ラジオ」の全世帯配布を実現。大雨警報が出れば、一人暮らしの86歳の女性に電話で安否を確認し、翌日は自宅を訪ねました。玄関前にハクビシンが居座って怖がる87歳の女性のもとへは、火ばさみを持って駆けつけたことも。「いざという時、真っ先に思い浮かぶのは本田さん」と、町の人は頼りにしています。
看護の現場の人手不足をどう補うか。公明党の岡本三成代表は22日、東京都内で、男性看護師の認知度向上や訪問看護のあり方を巡り、株式会社ナスメンの秋吉崇博代表取締役らと意見を交わしました。
秋吉氏は、病院では複数人で対応できる作業であっても、訪問看護などの在宅現場では全ての作業を一人で行わなければならない場面があると指摘。入浴介助など体力が必要な場面では、男性ならではの安心感があるとも強調しました。一方で、看護師全体のうち男性の割合が1割に満たない現状を説明し、「1割を超えなければ、女性看護師の負担を軽減させることも難しい」と訴えました。看護師の負担軽減に向けては、資格を持ちながら勤務していない「潜在看護師」の活用にも言及。命に関わる仕事としての責任感の重さと、給料などの処遇とのギャップを指摘し、処遇改善などの仕組み作りの必要性を力説しました。新たな働き方として、通常の看護業務だけでなく、救命講習や災害時支援といった潜在看護師のニーズに応じて組織づくりを進めていくことも重要だと述べました。終了後、岡本代表は「看護師に、いかに力を発揮してもらうかが大事だ」とした上で、地方議員などと連携しながら取り組みを後押ししていく考えを示しました。