
この日の公明新聞から、暮らしに関わる3つの話題を、生活の言葉でお届けします。
熊本地震でも大きな課題になった、避難所の環境。トイレが使えない、床で雑魚寝する、温かい食事がない――こうした過酷さが、災害関連死につながります。これを防ごうと、横浜市が「TKB」、つまりトイレ・キッチン・ベッドを一式そろえた設備を、自治体として全国で初めて導入しました。
最大の特長は、電気や水がない場所でも、生活に必要な設備をまるごと被災地へ運び込める点です。9月の実証訓練では、約300人を受け入れられる設備一式が数時間で設営されました。トイレトレーラー、キッチンカー、簡易ベッド、居住用テント、冷凍冷蔵車、電源車、スポットエアコン――これらを“設営のプロ”が市職員と一緒に組み立てます。設営を担う会社の社長は「どの避難所でも設営方法が統一され、迅速な避難環境の提供につながる」と利点を語ります。
避難所の環境改善では、災害から48時間以内にTKBを整えて関連死を防ぐイタリアの取り組みが知られています。避難所の専門家は、被災した自治体ではなく周辺の自治体が支える「広域総合支援」を全国に広げたいと語ります。公明党の市議団も、この訓練の開催を後押ししてきました。
「地震が起きたら、まず身の安全を守る」「揺れがおさまったら、火元の確認やラジオで情報を取る」――。東京・足立区の小学校で、5・6年生が地震のときの行動を話し合う授業が行われました。グループで「取るべき最善の行動」や「日頃の備え」を出し合い、家庭で話したことも発表します。
授業を受けた6年生は「準備が大切だと思った。家でも家族と話し合って、防災備品の数が足りているか確認したい」と語りました。この学校がある地区では、住民・学校・町会が一体となって災害に備えています。避難計画を行政任せにせず、地域の実情に合わせて独自に作成。高齢者や障がいのある人といった、支援が必要な人への対応も進めています。
大きな災害が起きたとき、国全体の対応をまとめる司令塔「防災庁」が、2日に発足します。首相をトップとする内閣直属の組織で、平時の備えから災害時の対応、その後の復旧・復興まで一貫して担当します。
これまで、災害対応の主役は市町村で、専門の人材も足りず、国の責任もはっきりしないことがありました。防災庁は、国が初動から被災地を支える体制をつくります。巨大地震に備えて地方に「防災局」を置き、専門家を育てる「防災大学校(仮称)」も検討します。公明党は「防災・減災を政治の主流に」と訴え、被災地の調査を重ねながら、この司令塔の必要性を繰り返し求めてきました。